ホントのような嘘の話『人ならざる救世主』

これは俺が保育園に通ってる頃の話なんだけどさ、ひまわり組の時だったっけな。遠足があったんだよ遠足。

地元にけっこう大きな山があってさ、今までも遠足で行った事あったんだけどやっぱ何回行っても楽しいわけよ。お菓子とか持ちよって友達と先生と話しながら山の入口まで到着したわけ。

そしたらさ、登ってる途中で急になんかおしっこしたくなっちゃってよ。「ちょっくら小便してくるわぁー」つって一人で木の陰でちょろちょろーっとね。ほら、やっぱいくら子供のころって言っても恥ずかしいかんね。好きな子におしっこしてるとこ見られたらもうヤバいっしょ?

そんでやっとひとしきり出し終えてよ、さぁてみんなと合流すんべ。って思ったらみんないないわけ。「あれ?置いて行かれた系?」なんて思っちゃって。

ほら、そん時まだ5歳くらいの頃だからさ、ケータイ持ってないわけ。「うわー、ケータイねーしどうすっかなー。」って思ったんだけどさ、まあ何回か登ったことある山だしなんとかなるだろ。って一人で登ったんよ。

そしたらさ、案の定迷子になったわけ。遭難よ遭難。「そうなんですね…。」ってやかましいわ!これ今の時代だったらPTA黙ってないね。

とりあえず下山してみっかなー。いや、先生来るの待っていた方がいいのかな。なんて思ってたらさ、聞こえてくんだよ。

「コロコロ…。コロコロ…。」

えっ、今の音何なんだよ。しかもどんどんその音が近づいてくるわけ。熊?イノシシ?ま…マツコデラックス?なんてさすがの俺も命と貞操の危機を覚えたね。急いでその辺の茂みにさ、隠れたわけ。

隠れてるときもさ、どんどん近づいてきて、ついに目の前まで来たんだよ。さすがにこんな体験したこと無くてさ、体の震えを必死で手で押さえて。でも目はその「音」から離せないんだよ。

「コロコロ…。コロコロ…。」

ついに音の主が俺の隠れてる茂みの前に来たわけ。

「うわああああああ!!!!!」

あまりの恐怖にさ、耐えきれなくて声出しちゃってよ。もうだめだと思ってそいつの方見たんだ。するとさ、どうなったと思う?

「うおお。ビックリしたー。」

そいつさ、2足歩行で歩いてるダンゴムシだったんだよ。いやもうめっちゃデカい。2メートルくらいあったねあいつは。てかそれ以前に人間の言葉しゃべっちゃってる訳。えぇー!ってなるじゃん。えぇー!って。なんでダンゴムシが歩いてんの!?って。

「おう、坊主どうした。迷子か」

え、ダンゴムシのくせになんで俺をガキ扱いしてんだよ。なんて思ったりもしたけどさ。俺も一人で寂しかったわけだし、これまでの遭難した経緯を話してたんよ。

「そうか、坊主。じゃあ山のふもとまで送ってやっから。背中に乗んな。」

そういうとさ、ダンゴムシどんどん丸くなっちゃって。俺もその背中?に乗せてもらったんだよ。座り心地は割と程よい固さだったし、さほど悪くなかったよ。

「じゃあ、行くからしっかり捕まってな。」

そういうとさ、そのダンゴムシすっげぇ勢いで回り始めるわけ、あんまし急に回り始めるもんだから俺吹っ飛んでさ。思いっきり木に頭打ち付けちゃって。もうろうとする意識の中で見た景色は一人で転がっていくダンゴムシだったよ。

いやもうすげー早かった。転がっていくダンゴムシをただただ見守ったよ。だってすっげぇ回ってさ、カッコ良かったんだよ。誰にもあいつは止めらんねーな。そう思いながら普通に下山したよ。

 

 

そんな僕も今年で28歳。こんな記事書いてないで真面目に頑張ります。

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